設立趣意

社会福祉法人を名乗る私たちの務め

 奈良は古代から現代に至るまで、「人を見捨てない社会」の実現に向けて、”奈良モデル”といわれるほど福祉の思想と実践を古から積み重ねてきた地域です。日本の福祉の原点を語るとき、奈良はまさにその「はじまりの地」と言えます。

 私たちがこの地で福祉に携わって約75年。奈良の1300年に及ぶ歴史と比べれば、まだ浅い歩みではありますが、今を生きる私たちにとって、大和の風習や慣習の中に息づく「福祉観」は、祖先から受け継がれてきた大切な価値です。それは、制度を超えて人と人とが支え合う、つながりの中にこそ福祉があるという考え方にほかなりません。

 急速に進む少子超高齢社会の中で、社会福祉における人材確保の深刻さが注目を集め、社会問題として顕在化しています。同時に、社会的多様性の広がりは、これまでの社会福祉のあり方そのものに問いを投げかけ始めています。

こうした状況に対して、私たちは原点回帰したとき自然発生的に課題意識を持ちました。単なる業務効率化にとどまらず、地域共生社会の実現や、福祉制度と社会保障の狭間に置かれた人々への支援など、より広範な社会的課題に応えることを目的としてこの構想を立ち上げました。

 奈良で福祉をするからこそ、課題意識と実践から自然発生的に始まり、それが会議体化されました。

北葛地域福祉連携推進会議の設立

 この組織は、「葛城の王都」旧北葛城郡圏域(大和高田市、香芝市、葛城市、王寺町、上牧町、河合町、広陵町)に立地する社会福祉法人を対象としたグループです。​

 この圏域は生活習慣や都市環境の変遷が酷似していることもあり、行政対応も含め支援体制の足並みが揃いやすいことが範囲を定めている理由です。

 市町の枠を超えて、災害時や平時における支援体制の強化のほか、連携施設間の人事交流や生産性向上の情報交換、共通した福祉総合相談窓口の設置など 地域福祉の向上を目指し、地域福祉の持続可能性を高める活動を行っていきます。​

 また、社会福祉法人同士が互いの経営を補完し合い、連携を深めることで、複雑化する福祉課題に対応する互助組織を目指します。少子高齢化や地域のつながりの希薄化により、高齢者の孤立や障害者の生活課題が深刻化する中、施設間の協力によって持続可能な支援体制を構築し、「誰ひとり取り残さない社会」の実現に一歩でも近づけます。行政が行う公共サービスや法律に定めた福祉制度からもこぼれ落ちてしまう、いわゆる「制度の狭間」にいる人たちにも光をあて、将来的には地域福祉の中核となる「民間行政」の創設を視野に入れています。

組織の概要

 ■名  称   北葛地域福祉連携推進会議(ほっかつちいきふくしれんけいすいしんかいぎ)

 ■組織形態   会議体

 ■設  立   令和7年2月13日

 ■活動範囲   旧北葛城郡圏域(大和高田市、香芝市、葛城市、王寺町、上牧町、河合町、広陵町)

 ■ロ  ゴ   古代の大豪族・葛城(かづらき)氏が勢力を誇った奈良盆地西南部。ヤマト王権を支え、時に対峙した大豪族の支配拠点がここ北葛地域です。この葛城の王都に建立された当麻寺の中将姫は、万民の安らぎを願い続けこの世を去った説話は歌舞伎・浄瑠璃などでも主題化され伝承されています。姫の「やまとびとへの想い」に敬意をこめて引き継ぎたい思いから、当麻寺三重塔(国宝)をモチーフとしたロゴとしました。


 この協定は、自然災害や人為災害等により加盟施設が被災、または機能不全に陥った場合、迅速かつ的確な支援を相互に展開することを目的として、7法人15施設で協定を結びました。

この協定により、各施設が策定しているBCP(事業継続計画)を力強く補完し、災害時の対応力を高めることにつながります。対象となる災害は、洪水や地震などの自然災害に加え、停電や火災などの人為的災害を含み、復旧支援や物資の供給のほか、利用者の一時的な受け入れも行います。

さらに、施設が立地する地域が災害に見舞われ、市町村からの要請により福祉避難所が設置された場合には、加盟施設がその後方支援として物資供給を担うほか、分散避難先としての機能も果たします。

毎日新聞 令和7年10月30日

奈良新聞 令和7年11月18日